成年後見制度は、将来ご自分が認知症などで判断能力がなくなった場合に備えるものです。成年後見制度には、法定後見と任意後見の二つがあります。
法定後見が事理弁識能力を失ってからのものであるのに対し、任意後見は事理弁識能力を失う前から利用することができます。
法定後見
よく話題に上るのが、銀行のATMを操作しているときに思い出せないで、何度も暗証番号を入力して引き出しがロックされたというような場合です。この場合、銀行から成年後見人等の選任を求められることもあるようです。以後は成年後見人等しか現金の出し入れができなくなります。
成年後見人等の選任の申立ては、原則本人の住所地を管轄する家庭裁判所にて行います。申立てをすることができる人は、本人・配偶者・4親等内の親族等です。成年後見人等は、本人の意思を尊重しながら本人に代わって、契約などの法律行為や財産管理などを行います。
任意後見
将来認知症を患う人の増加が予想されます。まだ判断能力があるうちに、将来の代理人(任意後見受任者と言います)を定め、自分の判断能力が不十分になったときに備えることができます。任意後見契約は公正証書で結ぶ必要があります。公正証書で結びますので、自分の好きな人を代理人として選ぶことができます。状況に応じて、任意後見契約の前段階である、生前事務委任契約や見守り契約を結ぶこともできます。
本人の判断能力が低下した場合には、任意後見受任者は家庭裁判所に任意後見監督人選任の申立てをします。任意後見監督人が選任されると、任意後見受任者は任意後見人となり、任意後見監督人の指導を受けながら後見事務を行います。
老後の安心のためにぜひご検討ください。